院長コラム(No.9 廃棄される医薬品)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.9 廃棄される医薬品

2019年01月16日

去年末、平成31年度政府予算案が閣議決定され、遂に100兆円を超えました。私は政治経済についての知識が薄いのでいい加減なことは言えませんが、いわゆるこの国の収入のうち3分の1が借金によるもののようで、積もり積もった国民に対する借金は、国民一人当たり900万円とか。

そんな中、もう1年ほど前になるでしょうか、下記のような記事が発表されました。
「慶應義塾大学の特任教授が国立がん研究センターと共同で調査したところ、年間に廃棄される医薬品は抗ガン剤だけで約738億円、薬全体では約1,000億円と推計された。」
また次の様な記事もありました。「年間100億円分以上の薬が、期限切れのため薬局で廃棄されているともいわれている」「降圧剤、高脂血症治療薬、血糖降下薬など、高齢者が飲み残す薬の額は年間500億円以上になるといわれ、処方された全量の半分が無駄になっているともいわれている。」
正確なところはわかりませんが、つまり、1500~2000億円ほどの薬代が毎年捨てられているということになります。これは、金額的にも巨額ですが、それだけでは無く、その薬を開発してくれた研究者、造ってくれた製薬会社にとっても悲しいことだと思います。

子供や孫達の世代に大きな負担を強いながら財政をやりくりしている状況下で、薬だけでもこれだけの金額が廃棄されている。このお金は国民から徴収したものであり、どこからか湧いてきたわけではありません。

ここにはいろいろな問題があると思います。安全性を考えると、一度開封した抗癌剤を他の患者さんに使ったり、翌日使ったりすることはありません。また内服薬にも有効期限があるので、効能はほとんど落ちていなくても期限が過ぎれば廃棄しています。

日本は皆保険ですから、保険診療の病院に行くと費用は1割負担、3割負担になっています。では残りの9割、7割は誰が払ってくれているのでしょうか。“お互い様“の精神で日本の医療は成り立っていると思いますが、現在の日本財政を鑑み、そして広く世界の医療情勢を慮り、この問題を我々一人一人が考えなければならないでしょう。

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