院長コラム(No.5 ノーベル賞に思うこと)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.5 ノーベル賞に思うこと

2018年12月12日

毎年10月の声を聞くころになるとノーベル賞受賞者の発表があります。今年は免疫研究の第一人者である本庶佑先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
ここ数年、毎年、「今年のノーベル賞は本庶先生だろう」と話していましたが、遂に今年、本庶先生の受賞を聞くことができ、心より嬉しく思います。

世界中の多くの俊英な研究者たちが日々研究をしてくださっていても、薬としてわれわれが恩恵を被ることができるのは20000~30000研究に一つと言われています。本庶先生がそのようなすばらしい研究をしてくださり、がんに悩む多くの人々に光を見いださせてくれたことに深く感謝いたします。

さて、ノーベル賞でもうひとつ気になるのがノーベル平和賞です。今年は、コンゴ民主共和国のデニ・ムクウェゲ医師と、過激派組織ISよる凄惨な性暴力の実態を世界に訴えてきたイラクの少数派、ヤジディ教徒のナディア・ムラドさんのお二人が受賞されました。

このお二人のスピーチは、耳を覆いたくなるような悲惨な内容のものもありましたが、現実に今、この世界で起こっていることなのです。1歳半の赤ちゃんに性的暴力を行う、10歳の女児に複数人による性的暴力が毎日行われるなど、あり得ないことが事実おこっているというのです。また、このようなことが数千人単位で、いや、もしかするともっと多くの女性、女児が被害に遭っていると言うのです。

デニ・ムクウェゲ医師は「見て見ぬふりをすることはしないでほしい。見て見ぬふりをすることは共犯者と同じである。無関心に対する闘いこそが求められています」と訴えています。

ノーベル賞の受賞を見ていると、“人間ほどすばらしい生き物はない”と思う一方で、“人間ほどひどく、むごく、醜い生き物はない”と思うのです。

我々は、本庶先生のようなすばらしい研究はできませんが、困っている人に手をさしのべることはできるでしょう。一人一人が、自分のできる範囲で他人を思いやれば、世界はいつか平和になるのではと心から祈ってやみません。

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