院長コラム

No.48 血液1滴からがん検出

2019年11月27日

 東芝はこの25日、“1滴の血液から乳がん、膵臓がん、食道がん、胃がん、大腸がんなど13種類のがんいずれかの有無を2時間以内に99%の精度で検出できる技術を開発し、2020年にがん患者を対象に実証試験を始め、21~22年に人間ドックの血液検査などで実用化することを目指す“と発表しました。

 この検査はがんになると血液中に増える「マイクロRNA」と呼ばれる分子の種類や濃度を検査し、13種のがんについて、ごく初期の段階でも発見できるというもの。ただ、現在のところこの検査では“具体的にどこのがんを患っているのかは特定できない”というところが困ったところです。

仮にこの検査で癌に罹患している可能性が高いとなった場合、医療現場ではどの臓器にがんがあるかを検査する必要があります。CT、エコー、内視鏡といったいろいろな検査をして、癌が見つかれば”早期発見”ということで治療ができ治癒率も高くなると思いますが、逆に画像検査では見つからないような早期だった場合どうすればいいのでしょうか。半年後にまた同じような検査をするとなればそれは精神的にも、費用的にも、時間的にもかなりの負担になるでしょう。

東芝は引き続き、どこの癌に罹患しているかを特定する技術開発も進めると言うことですが、仮に胃癌の可能性が高かったとしてどこにあるのかがわからなかった場合、果たして胃全摘をするのでしょうか。乳癌の可能性が高かったとして、どこに乳癌があるかわからないからと乳腺全摘をするでしょうか。

今年の6月にある条件のもとで遺伝子パネル検査が保険適応になりましたが、これもメリットデメリットを考えた上で行う必要があります。仮に、検査をして遺伝子異常がみつかったとして、それに対応する薬剤があるのか、それを使った治療ができるのか、それを使って治療をすればどれくらいの効果が見込めるのか。費用はいったい何百万ほどかかるのか。いろんな問題があります。

いろんな物事において、知ることはとても大切です。世界の貧困について、地球温暖化について、ジェンダーの問題について。知ることによって初めて問題の解決策を考えるのですから。しかし、こと病気に関しては、どこまで知って対応するのかということは大変デリケートな問題です。

症状が無い状態での健診では、検査結果に対して次の手を考えた上での検査は行っても良いと思いますが、検査が先行しすぎてしてしまうのは良くない結果も生むのではないかと少々心配しています。

一覧に戻る

北大阪メディカルクリニック 内科・自由診療専用ページ

交通アクセス Access

〒564-0063
大阪府吹田市江坂町5-14-13

  • 北大阪急行(地下鉄御堂筋線直結)「緑地公園」駅下車 徒歩10分
  • 駐車場あり 約10台収容

交通アクセス詳細

CLINIC INFO

北大阪メディカルクリニック

〒564-0063
大阪府吹田市江坂町5-14-13

交通アクセス

  • 北大阪急行(地下鉄御堂筋線直結)
    「緑地公園」駅下車 徒歩10分
  • 駐車場あり 約10台収容
このページの先頭へ
  • 資料請求
  • 問い合わせ