院長コラム

No.47 インフォームド コンセント

2019年11月13日

この言葉、良く聞くようになったと思います。看護協会のHPには「インフォームドコンセントとは、患者・家族が病状や治療について十分に理解し、どのような医療を選択するか、情報共有し、皆で合意するプロセスである。単に病状を告げ、同意書をとることではない。」と書かれてあります。

しかし、現実的には、医療者側からの一方的な病状の説明、予後の説明、治療方法の説明で終わり、患者さんや家族の気持ち、希望などを聞く雰囲気では無いことが少なくないと聞きます。

先日も、ある患者さんが近医で癌を疑われ、大きな病院を受診したところ、「診察を受けて心がずたずたになりました」と言われました。患者さんが質問し、思いを伝えるような雰囲気ではとてもなかったと言います。「転移しているので手術は無理です。抗癌剤治療しか方法はありません。抗癌剤を使ったとしても5年生存率〇〇%。無治療だった場合、平均余命〇ヶ月」というような内容だったと。時に涙声で話されるのを聞くと、我々もとても憤りを感じ、泣けてきました。医師とは、患者さんの未来をぺしゃんこにつぶすものなのか、と。

嘘はいけませんが、患者さんの「願い」に少しでも近づけるように、同じ側に立って、同じ方向を向いて進むべきものでしょう。 医師の側からすると、毎日多くの同じような病気の患者さんを診ているわけですが、患者さん御本人にすれば突然の癌告知に「これからどのように治療をしていくのだろうか。副作用はどんなだろうか。家族は、仕事は、どうすればいいのだろうか」と不安に押しつぶされそうなわけです。そこに「平均余命〇ヶ月です」などと伝える医師の気持ちはとても理解できません。

医師はその専門職として、20年、30年と関わっているわけですが、その内容を1時間、2時間でなかなか説明できるものではありません。また、忙しい日々の診療の中で1時間、2時間と説明時間が取れないこともよくわかります。ある統計によると患者さんは“医師から1時間話を聞いても理解しているのは5分”とも言われますので、いろいろな行き違いが起きてしまうことも予測できます。

確かに、「患者さんの気持ちがわかります」と言えば嘘でしょう。でも“わかろうとする”ことはできると思います。その上で、「治すのはなかなか難しい病気ですが」という声かけがあって良いと思うのです。

我々医療者は嘘を言ってはいけないと思っています。治る可能性がかなり低い状況で、「頑張って治しましょう」というのを、私は賛成しません。なぜなら治ると思って費やした時間はその人にとってはとても大切な残された時間だと思うからです。ですから、嘘は良くないと思いますが、御本人と一緒にいろいろな可能性を探ることはできると思います。

本来あるべきインフォームド コンセントの状況からかけ離れた事が起きている現状があることを憂慮し、診療によって心が傷ついていく患者さんに何と声をかければよいのか心が痛みます。

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