院長コラム(No.3 足るを知る)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.3 足るを知る

2018年11月28日

日毎に寒くなり、また冬を迎えようとしています。
難民のニュースを聞くと、年端もいかない子供たちが冷たい海を渡ってくる姿、またその途中で亡くなる姿を見ると、あまりにも過酷な運命をなぜあの子たちが負わなければいけないのかと心が痛くなります。私は、今、ここ日本にいて、寒さをしのぐことのできる家があり、暖をとることができる環境にあることを有難く思います。

ウルグアイの元大統領 ホセ・ムヒカ が2012年リオ会議で発言したスピーチの中に、次のような有名な言葉があります。
「貧しい人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
このリオでのムヒカのスピーチは多くの人の感動を呼び絵本にもなっていますが、子供たちだけでなく、我々大人こそがしっかりと、じっくりと、かみしめながら、繰り返し読むべきものだと思います。

日本にいると、電気が通って当たり前、電車が遅れずにきて当たり前、警察に電話をすればすぐに来てくれて当たり前だと思っています。しかし、世界には、電気、水道、ガスなど通っておらず、交通手段が非常に乏しい国々はたくさんあります。安全が確保されていない国々もいくらでもあります。内戦や病気で国民の平均寿命が40歳台前半であるシエラレオネの子供たちの夢を問うたところ、「5歳になりたい」「お母さんに楽をさせてあげられるように1回にたくさんの水を運びたい」「毎日ご飯を食べたい」等々だとありました。これが長い先のことを考えることができない彼らの「夢」であり、将来を考えることができる我々の「夢」とは明らかに違うのです。
食べ物の好き嫌いを言い、余分に買っては捨ててしまっている人々は、私を含め自戒の念を込めて反省しなければならないと思います。 「自分のお金で買ったのだからどのようにしても良いじゃないか」というのでは無く、ものを大切にし、頂いた命を大切にしないと、それこそ「心の貧しい」人になります。

シエラレオネの乳児死亡率は実に100人あたり16人といわれ、日本が0.3人であるのに比較して驚きの高さです。日本にいれば、24時間病院で診てもらえる、高度な医療を受けられることが当たり前になっています。しかし、これらは決して当たり前ではありません。

最近、あまり聞くことが無くなりましたが「足るを知る」という美徳を大切にしていきたいと、落ち葉を踏みしめながら思います。

一覧に戻る