院長コラム

No.45 日進月歩

2019年10月30日

10月は学会が多い季節です。先週も福岡で癌治療学会がありましたので行ってきました。

医師になってはじめの十数年は血液内科医として働いていましたので、懐かしくなって「白血病」のセッションを聞きに行きました。白血病などの治療には固形癌よりもかなり強い抗癌剤治療を必要とし、骨髄が抑制されている状態から回復するまでに当時は1ヶ月ほどかかりました。その間に感染をおこせば、患者さんはクリーンルームの中で40℃を越える高熱に耐えなければなりません。ですから、G-CSFという白血球(の中の好中球)を増やす薬が発明され、患者さんの白血球が少ない期間が短くなり、それだけ感染のリスクが減少したときには本当に感動し、「こんなすごい薬があるのか」と思いました。

白血病の治療薬にしても、急性骨髄性白血病(AML)のなかで当時は治りにくいと言われていたM3というタイプが、ATRAという薬によって劇的に効果がみられるようになりました。当時AML(M3)は「DICなどをおこし治しにくい白血病」という認識でしたが、この薬によって「与し易い病気」へと認識が変わりました。

このような白血球を増やす薬にしろ、ATRAというビタミンAの誘導体にしろ、我々には、これらの薬の研究者、開発者の顔は見えません。しかし本当に有り難く、文字通り「命を救う薬」でした。

我々医療従事者は患者さんと直接接することができますが、直接は接していない多くの方々が病気の検査、治療に関して様々な研究・開発をしてくれています。

例えば、内視鏡がそうです。径が細くなり、可視範囲が広くなり、可能な操作が増えました。超音波の機械も解像度が良くなり、以前ではとても見つけられなかった異常を指摘できるようになりました。それだけ早期発見ができ、治癒の可能性が高くなったわけです。

薬もそうです。殺細胞性の抗癌剤などは副作用も多く患者さんは大変辛いのですが、30年前には「あったらいいけどね」と夢にみていた分子標的薬がたくさん開発されてきました。分子標的薬に副作用が無いわけではありませんが、以前は夢のように考えていた薬が少しずつ現実に使えるようになっています。

医療の「現場」にはいないけれど、多くの研究者たちが検査、機械、薬の開発に尽力してくれていることを感じます。歩みは一歩ずつであり、決して飛び級で進むことはありませんが、このようにしていろんな分野でいろいろなかたが一生懸命に取り組んでいてくれることをありがたく思います。

 

一覧に戻る

北大阪メディカルクリニック 内科・自由診療専用ページ

交通アクセス Access

〒564-0063
大阪府吹田市江坂町5-14-13

  • 北大阪急行(地下鉄御堂筋線直結)「緑地公園」駅下車 徒歩10分
  • 駐車場あり 約10台収容

交通アクセス詳細

CLINIC INFO

北大阪メディカルクリニック

〒564-0063
大阪府吹田市江坂町5-14-13

交通アクセス

  • 北大阪急行(地下鉄御堂筋線直結)
    「緑地公園」駅下車 徒歩10分
  • 駐車場あり 約10台収容
このページの先頭へ
  • 資料請求
  • 問い合わせ