院長コラム

No.38 誰が中心の医療か

2019年09月11日

世の中には、「いかにして生きるか」「いかにして病気を克服するか」と言う本がたくさんあります。生きる事へのエールが多く、健康を保つためにどうすればいいのか、という本はたくさんあります。しかし、最期の迎えかたについて書かれてあるものは少ない。人生の終わりにどう向き合い、考え、受け入れていけばいいのかを考えるための情報を得るすべがとても少ないのです。

親しい人が亡くなることは残されたものにとって耐えがたく辛いことですが、病気治療をしている本人にとっては生きる事が辛いこともあります。「頑張れ」「生きて」「治る可能性があるじゃ無いか」という言葉を辛く受けとめる患者さんもおられます。

特に当院は病状初期の段階で来られるかたは少ないので、患者さんと日々お話をしていると「もう十分頑張りました」「楽になりたい」「こんなに生きるのが辛いとは」という言葉を少なからず聞きます。その時に、我々は何と声をかければいいのか。「そうですよね、もう十分頑張りましたよね」というと、“つー”と涙を流す方もおられます。

我々医療者は、大学では治療方法や新しい検査技術について習います。卒業後も勉強する中心はやはり治療方法についてであって、終末期ケアや患者さんの意思に沿った治療についてはなかなか勉強できていません。

医療側は「頑張りましょう」とか「次は、この抗癌剤を使ってみましょう」などとは言いますが、その先の現実についてはなかなか触れない。勿論、新しい薬の開発によって、以前は難治と考えられ予後が悪いとされた癌の余命がぐっと伸びることもあります。しかし、やはり、手術で治せなかった癌は手強い。

そして、大切な話をするには、我々医療者側には時間が無さすぎる。外来の患者さんを何十人も診察し、病棟の患者さんを回診しなければならない日常で、二時間、三時間と時間を作って、ゆっくりと話をするのはなかなか難しい。そして結局、大事な話ができないまま、患者さんの本心を聞けないまま、治療という名の医療行為がなされていることが多いのではないでしょうか。何を頑張るのか、何のために頑張るのか。自分の為に頑張るのか、家族の為に頑張るのか。

死は残されるものにとってはなんとか避けたいことではあるけれど、本人にとってはどうなのだろうか、と思うことがあります。標準治療に準拠して抗癌剤治療を受けなければいけないのか、腎機能が悪くなれば透析を受けなければいけないのか、食事がとれなくなれば中心静脈栄養をしなければいけないのか。そして、医師から勧められる治療を断ってはいけないのだろうか。

治療の中心に患者さん本人の意思があるのだろうかと思うことがあります。

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