院長コラム(No.34 私が免疫治療をする理由)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.34 私が免疫治療をする理由

2019年07月31日

私はもともと血液内科医でしたから、大変つらい抗癌剤治療でもがんばれば治る可能性があることを実感していました。その後、縁あって固形がんの治療に携わることになりましたが、固形がんの患者さんは辛い副作用に耐えてがんばってくださっても抗癌剤治療で治すことが大変難しい、とこれまた実感していました。

そんなある日、抗癌剤治療をしている患者さんがとても順調な経過でしたので「抗癌剤が良く効いていますね」とお話をしたら、「実は免疫治療をしている」というのです。その当時、私は免疫治療には否定的でしたので、「免疫治療で癌がよくなるなんて、癌はそんな簡単なものじゃない」と思っていました。しかし、その方はその後も経過が良い。これは免疫治療が効いていると考えざるを得ない、ということで興味を持つようになりました。もう10年以上も前のことです。

私にとって良かったのは、患者さんが内緒話をしてくれるような関係を患者さんと築けていたことだと思います。そして、患者さんの話を否定しなかったことだと思います。患者さんから情報を得ることはとっても大切なことです。患者さんの訴える症状に何かが隠れていないか。それを教えてもらうことは大切なことです。我々はすべての疾患に精通していません。ですから、患者さんに病状を伺い、それが起こる原因を本を開き、論文を読み、調べていくのです。

昨今、免疫治療が少しずつ広まってきているとはいえ、まだまだ医師に実感してもらえないのが現実です。そして「免疫治療をするなら、ここでの治療が終わってからにしてほしい」といわれて、併用するチャンスを失ってしまうことも多いのです。

併用が認められない原因の一つは、副作用でしょう。主病院で治療をしており、そこに免疫治療を併用して副作用が出たときに、どちらの治療が原因で副作用が出たかわからない。副作用の原因によって治療のアプローチの仕方もかわりますから、主治医の仰ることもよくわかります。また、何かあると訴訟につながる現代では、医師も委縮してしまいます。誠意をもって治療しても常にいい結果が出るとは限りませんが、結果からだけしか評価されなければ医療者も委縮してしまいますよね。

ですから、免疫治療の良さを実感した私が、少しずつでも広めていきたいと思っています。5月末、ある腫瘍学会のHPに「免疫治療が、標準治療や先進的な医療を受ける機会を奪ってしまうことになり、大きな問題である」という注意喚起文が掲載されました。免疫治療をする多くの医師は、保険診療の機会を奪おうとは思っておらず、「併用することによって相乗効果を得たい」と思っています。それぞれの治療方法の良いところを引き出して、結果として患者さんが良い方向に向かってくれればと強く思うのです。

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