院長ブログ(No.171 疑問をもちながら本を読む)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長ブログ

No.171 疑問をもちながら本を読む

2022年10月13日

ある有名な医師の新書が「大ベストセラー」というので、物好きな私は早速手に取ってみました。畏れながら、すこし私見を。

○「起こっていないことへの不安が強い日本人」→ 確かに、不安があるとき、自信がないとき、いくら回りから「大丈夫」と言われても不安が払拭されるわけではありません。不安は自分で解決するしかないですし、自信は自分でつけるしかないのです。不安を解消するには、正しい情報を集めて準備しておくこと。流言飛語に惑わされることなく、情報源がしっかりしているものを、可能ならいろんな角度から。

○「BMIは、好ましいとされている20前後よりも25~30のほうが長生きする。血糖値は、200位までなら良いんじゃない? 血圧も収縮期血圧が160~170なら気にしなくもいいのでは?コレステロールに厳密なコントロールが必要?」などのご意見 → いわゆる生活習慣病に関してはもっと緩くて良いのではないか、ということ。確かに、“今わかっている結果からすると” 良いことも、将来否定されるかもしれません。薄紙一枚にしたって、横から見れば細い一本の線。上から見れば長方形。丸めれば筒状にもなりますし、円にも見えます。要は自分が何を軸とするか、何を大切に考えるかですよね。

○「日本の医師は死にさえしなければ患者にどんな後遺症が残ろうが、どんな生活上のハンディキャップが残ろうが、問題無いと思っている人のほうが圧倒的に多いのです。」→ この文章には驚きと憤りを感じました。本当にそう思っているのでしょうか。

私の家族も色々な手術を受けましたが、そんな医師には巡り会いませんでした。どの医師も誠実で熱心でした。「生きてさえいれば患者にどんな後遺症が残ろうが問題無い」とは誰のことだろうと思います。もし、この本の著者のまわりにそのような医師が「圧倒的に多い」のであればとても気の毒な状況なのだろうと拝察します。私の知っている医師達は、昼夜無く、土日祝無く、頑張っています。患者さんの笑顔を素直に心から喜んでくれる医師はたくさんいます。

○「強い希望をもって病院に直談判すれば、名医の手術を受けることができる」→ 本当? ちょっと私には直談判なんてできそうにありません(ドキドキ)。病院側も直談判してきた患者さんの希望をすべて聞いてくれるのでしょうか。

○「いち早く登場してほしい「医者ログ」」→「食べログ」ならぬ「医者ログ」なるものの有用性が書かれています。医師による医師の評価よりも、一般市民の口コミによる評価のほうが好ましい、とのご意見。果たしてそうでしょうか。物事は、きちんと評価できる目を持った人が評価しないと、好き嫌いや相性になってしまうのではないかと心配してしまいます。

などなど、読み進みながら、いくつかの疑問が湧いてきました。しかし、このように “疑問を持ちながら” 本を読む、テレビのニュースを見る、コメンテーターの意見を聞く、ということは大切だと思います。自分が経験した世界だけだと狭いですから、見聞を広めるためにも色々な情報に接することは大切です。そして、疑問を持ったらさらに掘り下げるという姿勢をもって接すると更に楽しいと思います。正しい、正しくない、の話ではなく、私はこう考えるけど、あなたはどう思う? ということですよね。

○最後に、「結婚は2度するくらいがちょうどよい?」→ 確かに若かりし頃、燃えて一緒になったとしても、それが50年、60年続くかといわれれば「?」ですね。それぞれが違う社会を見て、違う勉強を掘り進めていくと、ベクトルの向き、価値観も変わっていくことは十分理解できます。2度結婚、熟年離婚というのは、ありかもですね。

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