院長コラム(No.32 はやぶさ2)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.32 はやぶさ2

2019年07月17日

7月11日、「はやぶさ2」が地球近傍小惑星「リュウグウ」への着陸およびサンプルリターンを見事に成功させました。46億年前、太陽系が生まれたころの水や有機物が今も残されていると考えられており、太陽系の誕生、進化、また生命についての重要な手がかりが得られる可能性があると期待されています。

プロジェクトマネージャーの津田雄一氏をして、「100点満点で1000点」と言わせるほどのでき。3億4000万km先の半径3mの場所にタッチダウンするもので、その難しさを私は想像することもできません。

さて、このプロジェクト、当初政府予算がなかなかつかなかったといいます。しかし、すぐに結果が出せるものに対してしか予算を分配しない、という近視眼的な考え方では未来は広がらないのではないでしょうか。夢を追うから世界は広がるのであって、目の前のこと、自分が想像できる範囲のことしか認めないのであれば、それはかなり狭小な世界になると思います。

世の中には、自分の想像をはるかに超える発想があります。しかし、自分の発想を超えることに対して評価をすることは難しい。一つ一つの発見、研究成果は点であっても、点と点が繋がって線になり、面になり、立体になる。それが想像もできないような大きなものになる。そして、それを「待つ」必要があると思います。「待つ」ということは、なかなか難しい。でも、はじめから出来上がりが見えているようなものには、心ときめくような結果は待っていないと思います。それぞれの夢、それぞれの興味、それらが深く遠く突き進んでいき、新たな道ができる。勿論、目の前のことも大切ですが、将来への投資も大変重要だと思うのです。

はやぶさ2に関わる、2010年~2021年までの総事業費は289億円と言われています。果たしてこの費用は高いのでしょうか。私はそうは思わないのです。廃棄されている抗癌剤の費用だけでも毎年500億とも、750億円とも言われていることを考えれば、よくこの予算でこれだけのことをしたなあと思うのです。

日本が世界に誇れる英知を育て花開かせるためには、それなりの未来への投資が必要です。数年で結果をださないと予算をつけないというのでは、本当の意味の研究はできません。これは、医学の世界においても同様です。「どうしてかな」「どうなってるのかな」「何かがあるはずだ」「この違いは何だ」という疑問が起こることが大切であり、その疑問、興味、謎を解くためには資金が必要です。これからも科学に対する理解と温かいまなざしを望みます。

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