院長ブログ(No. 162 新型コロナウイルスの検査のありかたについて)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長ブログ

No. 162 新型コロナウイルスの検査のありかたについて

2022年07月25日

コロナの感染判明者数が一日200,000人を超えた。「感染判明者数」と「感染者数」は当然違うので、実際の感染者数はその何倍もいることは想像に難くない。

政府は、無料検査センターの設置場所を増やし、無料で検査キットを配布し、ワクチン接種を推し進めている。しかし、一方では行動制限はしていない。「経済を回す」という目的はわかる。しかし、我々医療従事者は、この急速な外来受診者の増加に完全に疲弊している。疲弊すれば、感染対策に穴が開く。心身ともに疲れ果て、医療従事者自身が感染していく。そして医療機関や、高齢者施設が回らなくなる。

うちは、小さなクリニックなので、患者さんが増えたからと言って、急にスタッフを増やすことはできない。大きな病院なら他の部署から応援を頼むということも可能かもしれないが、発熱外来をしている町医者はそういうわけにもいかない。患者さんから普段の10倍の問い合わせが来たとしても診ることができる患者さんの数には限りがある。

そこで仕方なく、当院は高齢者優先、基礎疾患のあるかた優先、症状が強いかた(例えば発熱40℃とか)とした。今までの経験から、小児は重症化のリスクが低く、子どもたちは発症してから一日二日で元気になっているケースが多い。全てのかたを診ることができない以上、優先順位をつけざるを得ない。嬉しいことに、事情をご説明するとほとんどのかたにご理解を頂けるのは本当に有り難い。仮に、自分が癌治療を受けていたとしたら、仮に自分の子どもが重積の喘息発作のリスクがある子なら、と考えるとき、微熱で受診するのは控えようと思ってくださるのは有り難い。

だから政府もなんらかの制限をするなどして、検査対象に強弱をつけるべきではないかと思う。みんな一律に「熱が出れば検査」「喉が痛ければ検査」とするのではなく、“60歳以上の有症状者に検査”とか、“呼吸器疾患があり現在治療をしている人に検査”とか、“癌や膠原病の治療で免疫抑制状態のかたに検査”とか、“妊婦さんに検査”とか。

「検査をする目的は何か」という事をわかって検査をしなければならない。しかし会社がコロナ検査を指示するところも多い。学校が検査をするように指示することも多い。つまり、「陽性者は10日間の自宅療養」という縛りがあり、「濃厚接触者は5日間の自宅待機」という縛りがあるので、会社も学校も検査を指示せざるを得ないのである。まず、ここを変更しないと検査は減らない。

世の中にはいろんな人がいる。感染を心配して4回、5回と検査を希望する人もいれば、感染がわかると困る人も結構いるわけで、微熱や咽頭痛くらいでは検査に来ない人はかなりいるように感じる。このちぐはぐさがある限り、一定数の人が感染して、多くの人が抗体を得るまでは落ち着かないのではないかと思う。

うちのスタッフはみな優しい。看護師さんも炎天下(発熱外来は外で窓を開け放してしているので今日もずっと34℃以上だった)、防護服を着て、マスクをし、フェイスシールドをつけて対応してくれる。彼女たち自身が熱中症かコロナ感染かで倒れてしまうのではないかと心配になるが、いつも笑顔で頑張ってくれる。
多くの医療従事者は、会食にも行かず、自分にかなりの行動制限をし、家族にも行動制限を強いていると思う。そこを理解して欲しい。政府に理解して欲しい。行動制限をしないのなら、それはそれで構わないと思う。しかし、感染力が強いと言われるBA5にほぼ置き換わっているという現在、軽症状でも検査、濃厚接触者も検査、というのは、明らかに無理である。もう一度言う、「検査の目的は何か」

現状で、果たして皆がみんな検査を受ける必要があるのか。政府には、もう少しメリハリをつけた合理的な対応をしてほしいと切に願う。

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