院長ブログ(No.155  新型コロナウイルス感染症)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長ブログ

No.155  新型コロナウイルス感染症

2022年04月28日

政府が「国民」というものをひとまとめにして話さざるを得ないのと違い、町医者は患者さんと直接接するので一人一人の生活が見えてきます。新型コロナ感染症に関しても立場によって対応、反応はさまざまです。検査を受けたい人と受けたくない人。検査を受けに行ける人となかなか行けない人。何度も検査を受けに来る人、検査を勧めても断る人、いろいろです。

何か症状を訴えて外来に来られた場合、コロナの検査を必要とするかどうか、また検査は抗原検査にするかPCR検査にするかは医師の判断に任されています。しかし「コロナじゃないですか? 大丈夫ですか? 出勤してもいいですか?」と言われると、確かなことは言えないので検査をすることになります。

実際、当院を受診する前に、「のどが痛い」と耳鼻科を受診したり、「お腹を壊した」と内科を受診したりした人が、当院に来られてコロナの検査をしたら陽性だった、という事は結構あります。症状にかなりばらつきがあるのです。でも思えば当院に来られる前に他の耳鼻科や内科を受診し、コロナの検査をせずに診察を受け、薬を処方をされた人が結構いるという事は、それらのクリニックでコロナに感染していない人が、コロナに感染している人の隣に座って診察を待っているということになります。

また、感染が判明すると困る人も勿論います。ですから、喉が痛くても、熱があっても、頭が痛くても、市販薬を飲んで治そうとする人もいます。政府が言うように「少しでも具合が悪ければ仕事を休んで下さい」とか「熱が出たら早めに検査を受けてください」ということが、いろいろな事情からできない人、したくない人はいます。「喉が痛いくらいで休んでられない」という声は少なくありません。
逆に、コロナの検査をして陰性だった場合に「陰性で良かったですね」というと、「さっきも(ほかのクリニックで)検査したけど陰性だったんだよね」と複数の医療施設で、複数回検査をしている人もいます。

今、ゴールデンウィークを前に、新型コロナウイルスのワクチン接種を政府は呼びかけています。ただ、今ワクチンを接種してもゴールデンウィーク期間中に十分な量の抗体ができることはないでしょうから、感染予防にはあまり役立たないでしょう。かえって「ワクチンを打ったから大丈夫」と思って気持ちが緩んでしまうことが怖いですね。

外来をしていると、ワクチンを打って2週間くらいだと感染している人が少なからずいます。3週間くらい経っている人は、ほぼ感染していないようです。でもつい先日、3回目のワクチンを打って6週間ほど経っている若い人がPCR陽性でした。ワクチンも絶対ではありませんし、いろんな状況、条件がありますから、感染を完全に抑えるのはむずかしいですね。

本日、オミクロン株のBA1とBA2が組み合わさった、しかし先月見つかった「XE」とは違う新たな変異株が確認されたとの報道がありました。もう3年目となる新型コロナウイルスと人間との追いかけっこ、今後どうなるのでしょうか。

このゴールデンウィークは国内、国外を問わず移動する人が多そうです。いまワクチンを打っても連休中の感染予防にはならないと思いますので、従来通り、マスク、手洗いの励行が大切です。

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