院長コラム(No.119 超音波検査から思ったこと)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.119 超音波検査から思ったこと

2021年06月20日

当院には、月に数回、超音波の検査のために技師さんが来て下さいます。女性の技師さんですので、乳腺エコーを希望されるかたがこられ、リピーターも結構多くありがたく思います。超音波検査は画像を見やすくするために部屋を暗くして行いますので、やはり同性のほうがいいでしょう。

さて、2ヶ月ほど前、乳腺エコーの検査に来られたかたがいました。自覚症状は特に無かったものの、「女性の技師さんだし、ここ数年検査を受けていないからちょっとしてもらおうかしら」という感じで検査を受けられました。結果、「ちょっとあやしいところがあるので精密検査をお勧めします」とうことになり、乳腺専門病院で更なる検査を受けた頂いたところ、早期の乳がんと診断がつき、手術を受けられました。早期だったために、手術のみで治療終了となり、術後の抗癌剤治療等もなくすごされています。

その方から、「早く見つけてくれてありがとうございました」とお言葉を頂きましたが、見つけてくれたのは技師さんです。早期の乳癌だったことは技師さんにもお伝えし患者さんからの感謝のお言葉を伝えましたが、丁寧な検査が、検査を受けたかたの “人生を大きく左右する” のだと改めて思いました。
発見が遅れていれば、手術だけでは「治療終了」とはならなかったでしょう。抗癌剤の投与が必要だったかも知れません。更に、リンパ節転移や骨転移などの遠隔転移に注意を払い、長い間精神的負担を強いられたかもしれません。

検査をしてくれる技師さんと患者さんというのは検査後の接点がありませんが、早期発見はその人の人生、そしてその人の家族の人生をも変えるものだと思います。我々は、医療を通してのこのようなかかわりを持つわけですが、日常の一つ一つの事が、大きな意味を持つということを再認識しました。

それぞれの分野のそれぞれの専門家がプライドをもって仕事に取り組むことによって、そのちょっとした手間、そのちょっとした気づきが、将来の大きな分かれ道になることがあると思います。トンネルの中をカンカンと叩きながらその音で異常を見極めるというのも、プロならではの鋭い感性です。もし異常に気づかず崩落事故につながったら大変な事です。それぞれが自分の仕事に対して、プライドと探究心と向上心をもって真摯に向き合っていれば、そこからおもいしろい発見や、新しい発見につながると思います。そして自分にしかできないことがうまれてくれば人はわくわくしますよね。

多分、世の中にはいい加減にしても過ぎていくことはたくさんあるでしょう。しかし、一つずつ丁寧に対応していくと、その先に広がる景色も違ってくるのではないでしょうか。逆に、“言われたことをこなす”というだけではなんの気づきも進歩もありません。人の為になる、誰かが喜んでくれる、と言うことは大きな喜びです。うちは小さなクリニックですが、スタッフ一人一人が温かい心を持っていると思います。我々の日々の小さな気づきから、少しでも多くの人が笑顔になってくれたら、と思います。

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