院長コラム(No.110 東京オリンピック)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.110 東京オリンピック

2021年03月31日

先週3月25日、東京オリンピックの聖火リレーが始まりました。121日かけてすべての都道府県をまわり、2021年7月23日開催予定の東京オリンピック、そしてパラリンピックにつなげていく予定と。

新型コロナウイルス感染に関するアメリカのジョンホプキンス大学の発表では、3月31日の17時の時点で世界の累積感染者数 128,212,879人、世界の累積死者数 2,803,397人にのぼっています。東京オリンピックは「東日本大震災からの復興」、そして「新型コロナウイルス感染症に人類が打ち勝った証」として行うと聞いていますが、今後、ウイルス感染が終息の気配を見せたとしても、これだけの死者を出しながら「人類」が「ウイルス」に「勝った」と言えるのでしょうか。そうは思えないのですが。

さて、国の代表としてオリンピックに来られる方々の努力が並大抵であるはずがありません。この日に向けて我々の想像できないような努力を日々重ねてきたのですから、是非ともオリンピックでその成果を出して欲しい。しかし、その国の代表を迎え入れるのであれば、迎える日本側に余裕と準備ができていなければなりません。今すでに、第4波といわれる感染者の増加傾向が見られている日本でそれだけの余裕があるのでしょうか。

病床数を増やしたからといって患者さんを受け入れることができるわけではありません。大切なのは医療スタッフですから、疲弊しているスタッフに更なる負担を強いることは危険です。退職者が増えたり、医療事故が起こったりするのではないでしょうか。この心配が杞憂に終われば良いのですが。オリンピックを開催することが大変な賭けにならなければ、と願うばかりです。

各国のトップクラスの選手がもし感染したなら、その方々を治療するだけの体力が国内にあるのでしょうか。それは、医療スタッフの面でもそうですし、財政的な面でもそうです。
また、仮にいくつかの国が代表選手を送り出すことを控えた中で良い成績を残したとして、彼ら一流の選手が自分の結果に納得するのでしょうか。

受け入れ国である日本国民の7-8割がオリンピック開催に対して消極的であると言います。今年3月の海外メディアでの世論調査でも、やはり開催に対しては反対意見の方が多いといいます。このような中で、開催を決断したのは何故でしょうか。そしてそのリスクはいかほどなのでしょうか。

現状を見ていると、日本国内の感染状況も大変、世界の感染状況も大変。オリンピックをするも大変、中止するも大変なのだろうとは思いますが、代表選手の命を考えたとき、踏みとどまることは難しいのでしょうか。東北大震災からの復興もまだ、新型コロナウイルス感染もまだ先が見通せない中で、見切り発車する危うさを感じています。「結果が良ければいい」と言えるレベルの問題ではないと思うのですが。綱渡りの綱を渡りきれるのでしょうか。

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