院長コラム(No.26 免疫治療が癌治療の基本に)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.26 免疫治療が癌治療の基本に

2019年06月05日

先日、知人がご高齢の外科医が書かれたある記事を教えてくれました。内容は、「今まで数え切れないほどの手術をしてきた。手術自体は納得のいくものだったにも関わらず再発することが珍しくなかった。残念ながら手術には限界があると思う。そんな中で、今後は免疫治療に期待する」というもの。

確かに、今の免疫治療は完成形ではありません。まだまだ非難されることも多いです。しかし2年ほど前、ある患者さんに「免疫治療を非難する人がいますが、僕は良くなっている人がこれだけいるというと言うことは、方向性は間違っていないんだと思いますよ。ただ、少し遠回りをしているのだろうから、もう少し良い方法がみつかるように研究して下さいよね」と言われました。
このとき、大変有り難くこの言葉を聞いたのを覚えています。確かにこの方が仰るように「良くなる人が少なからずいる」ということは、目指している方向性、考え方は間違っていないのだろうと思います。「標準治療じゃない」「保険適応じゃない」といって否定するものではないでしょう。

今は、いろいろな検査が開発され、画像や腫瘍マーカーで異常が見つかる前に癌のリスクを指摘できるようになってきました。画像検査では、人間が可視できて初めて異常と認識しますが、勿論、異常=癌ではありません。また多くの腫瘍マーカーも早期発見には有用とは言えません。将来の癌への対処方法としては、癌のリスクが認められた、または免疫力が下がってきた時点で、免疫機能を強化することではないかと思います。

医学の進歩は多くの努力が積み重ねられた結果です。1804年の華岡青洲による全身麻酔下での乳癌の手術。1895年のレントゲンのX線の発見。1898年、キュリー夫妻によるラジウムの発見。そして1943年第二次世界大戦中に残念ながら化学兵器として使われたナイトロジェンマスタードからの抗癌剤の研究。
医学はここ100年で随分進歩したと思います。治療方法だけでなく、遺伝子検査、内視鏡、MRI、PET等と検査方法も格段の進歩を遂げています。我々がのんびりとした時間を過ごしている間も、世界の俊逸たちが切磋琢磨し研究・開発してくれているおかげだと心から敬服し感謝します。
いつか、「昔は癌で手術したんだって」「昔は抗癌剤治療をしてたんだって」と言われる日が来ることを願います。

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