院長コラム(No.99 新型コロナワクチン接種について)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.99 新型コロナワクチン接種について

2020年12月13日

アメリカのファイザー社とドイツのビオンテック社が開発した新型コロナウイルスに対するワクチン接種がイギリスではじまり、アメリカでも明日から開始されるということです。

有効率は95%といわれていますから、インフルエンザワクチンの有効率50%~60%などの値と比較するとかなり高い値ではあります。さて、この「有効率」はどのように計算されたのでしょうか。アメリカで実施された治験で、ワクチンを接種したグループ約22,000人と接種しなかったグループ約22,000人の感染状況を比較しています。接種しなかったグループは162人が感染、接種したグループは8人が感染。つまりワクチンを接種したことによって、162-8=154人は感染しなかったので、は154÷162=0.95で有効率95%ということらしいです。しかし思えば、ワクチンを接種しなくても感染率は162÷22,000≒0.007ということになりますから、それほど感染力は強くないようですね。

さて、ワクチン接種が始まったイギリスで、接種当日にアナフィラキシー反応が2例見られたというニュースがきかれました。まだ4000人、5000人の接種しかできていない段階で二人に強い副反応が出たというのはちょっと多いですから、安全性に疑問を持たれる方もおられるでしょう。ワクチンはあくまでも”健康な人”に接種するものですから、この割合で健康被害が出るとなると慎重になります。

アメリカ、ヨーロッパのように、感染者数、死亡者数が日本と桁違いに多い国々は、副反応を理解したうえで接種するという、メリットとデメリットのバランスの上に接種が開始されのでしょう。しかし、日本のように、死者数が少ない東南アジアの国々で、十分な検証がされない前のワクチンを接種することに関しては、その利点・欠点を理解しなくてはいけないと思います。

また、アメリカで95%の有効性が認められたといって、日本でも同様に高い有効性が認められるかどうかはわからないと思います。アジア地域であまり感染が広がっていない理由が何なのか知りませんが、人種の違いなどはどうなのでしょうか。果たして日本が輸入しようとしているワクチンが日本人に対してどれほどの効果があるものなのか。日本は、1年延期されたオリンピック開催が来年夏にあり、なんとしても感染を終息に向かわせたいという思いはわかりますが、あまり急ぎすぎないほうが良いのではないでしょうか。

今後、ウイルスの遺伝子が変異するとどうなるのか。mRNAワクチンの有効性はどうなのか。安全性はどうなのか。初めて実用化されるこの種のワクチンについて無知であるが故に私には不安があります。

新型コロナウイルスが日本で確認されて11ヶ月。対処方法が少しずつわかり、死亡率はかなり減ってきました。6月~8月の50歳代以下の死亡率は0.06%だそうです。ワクチン接種について、副作用、日本人での有効率、効果の持続期間、費用などを総合的に考えていくとき、完璧なものがない中で、何に価値を置くかによって選択肢も変わってくるでしょう。いざ日本でワクチン投与、となったときに自分ならどうするだろうかと思います。

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