院長コラム(No. 22  豊かな心)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No. 22  豊かな心

2019年04月24日

私が小さかった頃、お菓子の箱がかわいい紙に包まれてあったり、きれいなリボンでむすんであったりすると、大切にとっておいたものです。荷造り用の紐、袋の口を止めてある針金、柔らかい物を包む気胞緩衝剤・プチプチも取っておきました。昔は、とりあえず何でも「また使えないかなあ」ととっておいたものです。
しかし、今はそれらが安価に買えるためか、捨ててしまっていることが多いのではないでしょうか。きれいなリボンも、花束を包装している美しい和紙も、お菓子の入っているかわいい箱も、ゴミになっているように思います。安価なショップができて確かに安くいろんなものが買えるようになりましたが、安く買えることがものを粗末に扱って良いことにはなりません。豊かになることと無駄にすることは違います。

例えば、日本人一人あたりの生活用水使用量は、統計の取り方にもよりますが、現在300㍑前後で、50年前の約2倍になっていると言います。水の使用量が豊かさのバロメーターとも言われているようですが、豊かさとは何でしょうか。
お風呂の残り湯は洗濯に使う、食器を洗うときには洗剤を洗い流すときだけ水を出す、歯磨きをするときも口をゆすぐ分だけ水を使う。お米のとぎ汁はベランダの鉢植えにあげる(笑)などなど、毎日の気遣いで大きく変わることがあると思います。物が溢れていることが、豊かなことでは無いでしょう。

まだまだ着られる服を捨てるのはもったいない。“古着をあげるのは悪い”と思わずに、また、“古着をもらった”と嫌な顔をせずに、お互いが物を大切にするという気持ちでやりとりができれば、本当の意味で心が豊かになると思います。

今、我々が使っている水はどのようにして蛇口まで届けられているのだろうか、そのチョコレートはどんな小さな子供達が集めてくれたカカオから作ったのだろうか、このお肉は誰が育ててくれた豚なのだろうか。一つ一つを考えると、無駄な買い物はしないでしょうし、粗末な扱いもしないでしょう。
私は、穴のあいたソックスを母が繕ってくれて、それを履くのが好きでした。物が豊富にあることと、心が豊かであることは違います。物を大切にしてこそ、本当に豊かな心が生まれると思います。

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