院長ブログ(No.95 「授人以魚 不如授人以漁」)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長ブログ

No.95 「授人以魚 不如授人以漁」

2020年11月04日

「返り点」が懐かしい漢文の時間を思い出しますが、中国の老子の言葉と言われ、「人に授けるに魚を以てするは、人に授けるに漁を以てするに如かず」と読みます。文字通り「人に魚を授けることは、漁の仕方を教えるに及ばない」ということ。一時の支援では無く、今後の事を考えてその人が独り立ちできるようにすることが、本当の意味でその人の為になる大切なこと、ということですよね。

場合によっては、「魚」が今すぐ欲しい時もあります。「今日食べるものが無い」「今日住むところが無い」となれば、とにかく「魚」が欲しい。しかし、その後も魚を「くれる」ことを待っていても、「いつまで経っても何もくれないかもしれない」わけですから、自分で魚を捕りに行くすべを知らなければなりません。

また、魚の捕り方を教えて貰ったからといって魚がすぐ捕れるようになるわけではありませんから、自分で魚を捕れない間は援助が必要でしょう。しかし、いつか「自分で」魚をとれるようになることが大切です。ですから援助する側も、その時だけの援助では無く、その後の自立を促すように導く。今、おぼれている人に泳ぎ方を教えるのはナンセンスですから、そこは手をさしのべる。しかし、助けたあとに泳ぎ方を教えないと同じ事が繰り返されるかもしれません。

「結婚新生活支援事業」を実施する市区町村に住んでいると、新生活にかかる費用について現行の30万円から倍増し、来年度から60万円を上限に補助してくれるらしい。今、政府は「スピード感をもって」いろんな支援を掲げています。

確かに今の援助も大切だけれど、なぜそうなるか、どうすれば援助の必要がなくなるのか、という将来の事を考えることも大切でしょう。支援を受けながらも、支援を受けないようにと頑張っている人はたくさんいます。どこにどれだけのお金を配分するか。どこからどれだけのお金を調達するか。我々が自分の懐具合をみていろいろと判断するように、政府も懐具合をみて判断するでしょう。

政治家はとても責任ある、そしてやりがいのある仕事で、ある日突然「政治家先生」になれるわけではありません。我々一般庶民には知り得ない多くの事を知り、酸いも甘いも噛みわけておられると思います。「水至清則無魚」・・・”水至って清ければ、すなわち魚なし”ですから、清廉潔白汚れの無い、とまでは求めません。しかし、目先のことではない、将来を見据えた、切れ味鋭い、筋の通った理論と頼もしい指導力を政治家の方々に期待しています。

P.S. アメリカ大統領選挙の開票速報をどきどきしながら見ています。果たしていつ決着がつきますかね。もしかして、年を越すかも!

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