院長コラム(No.20 感度と特異度)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.20 感度と特異度

2019年04月10日

腫瘍マーカーの血液検査で「この検査は感度80%」と言われると「この検査で陽性なら80%の割合で癌である」と思いませんか。でもそうではありません。
「感度」とは、病気の人のうち検査で正しく「陽性」(=病気)と出る人の割合のこと。また「特異度」とは、病気でない人のうち検査で正しく「陰性」(=病気では無い)と出る人の割合のことです。

例えば、ある腫瘍マーカーの検査で、癌の人が「陽性」と出る確率(=感度)が90%、癌でない人が「陰性」と出る確率(=特異度)が90%の場合を考えてみましょう。
そして、今、仮に癌にかかっている人の割合(=有病率)が1%だとします。
検査を1000人が受けたときに、有病率が1%なので癌の人は10人。癌でない人は990人です。
感度が90%なので、
癌の人で陽性と出る(=正しい結果)のは 10(人)×0.9(90%)=9(人)
癌の人で陰性と出る(=間違った結果)のは、10×0.1=1人
癌でない人が陽性と出る(=間違った結果)のは、990(人)×0.1=99(人)
癌でない人が陰性とでる(=正しい結果)のは、990×0.9=891人

つまり、検査結果で陽性と出た人9+99=108のうち、実際に癌の人は9人つまり、陽性的中率は8.3%で、誤警告率(検査が陽性でも癌が見つからない割合)が91.7%となります。感度90%といわれる検査で陽性となれば、まず癌だと思ってしまうと思いますが、実際には1割もいないということです。

腫瘍マーカーの検査をすると 例えばCA19-9 7.2 (基準値 37.0以下)などと書かれていると思います。つまり、腫瘍マーカーは癌細胞のみに検出される物質を見ているわけでは無く、“正常細胞にも見られるが癌細胞に多い物質”を見ているので、「基準値 〇〇以下」などの表記があるわけです。ものごとはいろんな方向からみないとわからないことがたくさんあると思います。

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