院長コラム(No.87 ワクチンへの期待は?)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.87 ワクチンへの期待は?

2020年09月03日

新型コロナウイルスの感染者が国内で最初に確認された1月16日からもう7ヶ月半。この間にいくつかの薬の効果が試され、有効性がある程度確認されたもの、期待したほどではなかったものなど、各国から報告されています。今年の2月、3月ころの未知のウイルスに対する恐怖が先行する状況から脱して、対処方法も少しずつ見えてきました。またワクチン開発も各国で取り組まれること、プロジェクト数は200を超え、ウイルスベクターワクチンやmRNAワクチンなど、いろいろな製造技術を利用したものが研究されています。

コロナウイルスは、いわゆる風邪のウイルスとしてよく知られています。しかし、2002年のSARS、2012年のMERSと、動物からヒトに重症肺炎を引き起こすウイルスが認められました。コロナウイルスは種特異性が高いため、種を超えて他の動物に感染することはほとんど無いといわれているにもかかわらず、今回のCOVID-19。先のWHOの警告のように世界環境の変化、生活様式の変化に伴うzoonosisのリスクも広がり、今後も新たなウイルスが登場するだろうことは想像に難くありません。

我々は、新たな感染症が広がると「早くワクチン作ってくれないかなあ」「特効薬、まだできないのかな」と、首を長くして待っているわけですが、勿論、そんなに簡単にワクチンや特効薬が作れるわけではありません。SARSもMERSもこれらの原因ウイルスに対するワクチンはいまだにありません。世界の俊英が昼夜兼行で研究開発をして下さってもそう簡単にできるものではなく、ワクチン開発には一般的には5年、10年はかかると言われています。現在、新型コロナウイルスに対しては、ウイルスベクターワクチン、mRNAワクチン、VLP(Virus Like Particle ウイルス様粒子)ワクチンなどいくつかの方法での開発が進められ、従来よりは早く開発出来るようですが、安全性、有効性を確認するには、やはり年単位の時間がかかるのでは無いでしょうか。

我々は子供の頃に麻疹や水疱瘡のワクチンを打ちますが、これらのウイルスは血中に存在するのでワクチン接種で終生免疫が得られます。しかし、呼吸器感染症を起こすウイルスに対して終生免疫を獲得できるワクチンはいまだ無いため、“重症化を防ぐ”目的でワクチンを接種します。今後、仮に新型コロナウイルスに対するワクチンができたとして、その効果、持続期間にどこまで期待をして良いのでしょうか。

政府は「ワクチン開発がされたら」という仮定で、海外から輸入する時期や本数などを発表していますが、正直なところ「できるかなあ」とちょっと心配しています。ですから今はやはり「かからない」のが一番良いみたいです。自分のためにも、周りの人の為にも、常識的な範囲での予防はするべきでしょう。それでもいつ、誰がかかるかはわかりません。もしかかってしまったら、すみやかな回復を願います。

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