院長コラム(No.79 免疫治療は効くのか?)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)がん治療 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.79 免疫治療は効くのか?

2020年07月08日

当院は、自由診療の免疫治療を行っていますが、保険診療をされている先生方から「エビデンスがない」とお叱りを受けることがあります。つまり、「有効性があるなら保険が通るはずだ。保険診療になっていないということは有効性がないことの証だ」と言うことだそうです。しかし、本当に「保険診療が認められていない」=「あやしげな治療」「無効な治療」でしょうか。

「保険診療が認められている治療」=「治る治療」ではないことは一般的にご理解いただけていると思います。放射線治療しかり、抗癌剤治療しかり、です。2019年のがん罹患者数は国立がんセンターの統計によると、1,017,200人。死亡者数は380,300人となっています。治癒の多くが内視鏡手術、外科手術によるものです。抗癌剤や放射線治療でがんが治せるならこの380,300人のかたは救えたはずです。これが抗癌剤治療、放射線治療のエビデンスです。

癌の治療で「これで絶対に治る」という方法はないでしょう。免疫治療も「これで治る」とは言いません。しかし、実際に患者さんを診ていると、免疫治療で大変予後が良い方がおられることも事実です。

当院には、いろいろな治療を受けられた後再発したり、他に治療法がないと言われたりして来院する方も多くおられます。いわゆる、ガイドラインから外れた人が、何か方法はないかとさがして来られるのです。例えば、今通院されている方を何人かご紹介しますと、

・30歳台 子宮癌:「他に治療法はない。余命3ヶ月」と言われ来院。免疫治療を開始して1年半。抗癌剤不使用。CT上腫瘍認めず。

・50歳台 肺癌:最初の抗癌剤治療後4か月で再発。再度の抗癌剤治療後、再々発を防ぎたいと来院。2年経過、無再発。抗癌剤不使用。

・60歳台 前立腺癌:腫瘍切除を勧められたが合併症に不安を抱き免疫治療を希望され来院。5年経過も画像上腫瘍認めず。

・50歳台 膵癌:手術適応外にて見つかったため抗癌剤治療開始。その後副作用などのため抗癌剤をしたりしなかったりしながら、免疫治療と併用。5年経って、他の理由で開腹手術したところ、癌細胞は認められず。

・60歳台 肝臓癌:肝硬変にて手術できず。ラジオ波にて治療後、当院にて免疫治療。4年経過。無再発。

そして、大切なのは、皆さんがお元気だと言うことです。いわゆるPS(Performance Status)といわれる、日常生活での元気さをあらわす度合いが「0」つまり、発症前と同様に生活できていると言うことです。これが免疫治療の大きな魅力です。

確かに、保険適応のがん治療と同じで、すべての方に免疫治療が効果があるとは言いません。しかし、上記のように明らかに免疫治療が効果を発揮しているかたを見ていると、「保険適応でないから無効である」とは言えないのです。まだ解明されていない科学・病理はあると思います。我々がまだ知らないから、解明できていないから、その効果を否定するというのはおかしいでしょう。長い歴史の中で、後々理由が解明されることはたくさんあります。

ただ、保険適応外のため治療費が高額なのも事実です。財源に限りがある限り、医療制度改革が必要です。現在の保険診療の1割負担、3割負担を変えていく、保険診療の適応にならない疾患を認める、などに切り替えていくことが必要でしょう。

 

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