院長コラム(No.76 苦しいときほど人間性が見える)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)がん治療 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.76 苦しいときほど人間性が見える

2020年06月24日

ナチス・ドイツ時代、体調を崩した囚人に自分のお金で薬を買って、密かに薬を与えた兵士がいたといいます。日中戦争時代、飢えている中国の兵士に自分のにぎりめしを分け与えた日本兵がいたといいます。

また、1982年1月のエア・フロリダ90便墜落事故では、氷結したポトマック川に飛行機が墜落したのですが、凍った川に投げ出された乗客の男性は、救助のヘリコプターから自分に投げられた命綱を二度にわたって傍にいた女性に譲り、3度目にヘリコプターが戻ってきた際には男性は力尽きて、割れた氷の中に沈んでいたと言います。あまりにもこの影像は衝撃的で、自分の身を捨ててまで女性を救った男性の姿はいまでも忘れられません。

有名な日本の外交官、杉原千畝も1940年夏、ポーランドなど欧州各地から迫害されて逃げてきた多くのユダヤ系の人に対して、命令に反してビザを発給し、救った命は6000人にものぼるといいます。

また、1994年公開されてヒットした映画「シンドラーのリスト」では、1200人ものユダヤ人を逃がしたとされるオスカー・シンドラーが画かれています。

簡単に人を殺せたあの戦時中。自分の命を失うかも知れないのに、これだけのことをした人がいるというのは驚きですが、調べてみると法を犯してまで敵国の人を逃がした人は、各国にいることがわかりました。これらの行為の根底には、人間としての揺るぎない信念があってのことだと思います。

大変な時ほど人間性が見えます。自分の命の危険を冒してまでもユダヤ人を助けることができるか、と問われれば、私にはまずできないでしょう。

今、経済が完全な失速状態の中にあって大変な状況のかたはたくさんおられます。そのような中でも、自分の権利を主張して譲らない人もいますが、多くは「大変な時だから一緒に頑張ろう」と、様々なボランティア活動をしたり、魅力的なアイデアを発案したり、またクラウドファンディングに協力したり、とそれぞれが自分にできることを人のためにしています。

我々が生きていて幸せを感じるのは、誰かが喜んでくれるときでしょう。料理人はお客さんがおいしそうに食べてくれたら幸せでしょうし、教師は生徒が「わかった!」と笑顔を見せてくれたら幸せでしょう。人が喜ぶことに幸せを感じるなんて、人間はやはり素敵だなあと思ってしまいます。

杉原千畝やシンドラーのようなことはとてもできませんが、苦しいときに醜い本性が出ないように、普段から少しでも清らかな心を育みたいと思います。

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