院長コラム(No.75 人は平等では無い)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)がん治療 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.75 人は平等では無い

2020年06月17日

黒人が白人警察官に首を膝で押さえつけられ窒息死した事件に端を発して、世界的に差別に対する抗議のうねりが起きています。しかし、このような活動が起きているさなかの先日にも、駐車場で寝ていた黒人が検挙される際に「抵抗して逃げた」という理由で射殺されています。こうも簡単に人間の命を「奪える」ことに、強い恐怖と嫌悪感を抱きます。未だに「差別」という大きな高く厚い壁が立ちはだかり、「黒人は人間扱いされず、動物扱いである」とある黒人は訴えていました。私が子供の頃に見た、首や足に鉄の鎖を巻かれて強制労働させられていた奴隷の記録映画や写真は今も私の心に深く刻まれています。彼らが病気になっても「病院に連れて行くより、次の奴隷を買った方が安い」と言われて「使い捨て」だったと。そしてこの奴隷制度はほんの150年前まで、1865年まであったのです。更に、「奴隷制度」は無くなっても、「現実の差別」は今日も残っています。

2009年、アメリカに非白人・アフリカ系のオバマ大統領が誕生し、ある程度社会は平等になってきているのかと思っていました。しかし、まだまだそうでは無いという、恐ろしい現実を今回の影像で思い知らされました。確かに「人間」としての扱いではありません。

また銃社会のアメリカで起きている事件だけで無く、他にもいろんな不平等を感じます。
例えば、ウイルス感染拡大を抑えるために「石鹸で手を洗って」「流水で20秒間手を洗って」「アルコール消毒をして」などと言いますが、きれいな水が無い国はたくさんあります。日本のように水道水が飲める国は、世界200カ国のうちでも、15-20カ国ほどと言われています。また、密集がいけないと言われても、難民キャンプで過ごさざるを得ない人は数千万人います。それも半分は子供たちです。

このことを皆さんはどう考えるでしょうか。
きれいな水が蛇口から出てくるのをみて、我々は感動するでしょうか。多分多くの人が当たり前のことと思い、少しでも水が濁っていたら、不満を感じるのでは無いでしょうか。しかし、雨水を汲むために何kmも歩かなければいけない子供たちは、きれいな水が井戸からくみ上げられるだけで、感動し、喜びを感じ、きらきらとした瞳で満面に笑みを湛えて井戸を掘ってくれた人に感謝すると思います。

世界はまだまだ不平等です。そして残念ながら、これらの不平等はなかなか無くならないでしょう。我々は「日本に生まれて良かった!」と他人事として終わるのでは無く、世界で起きている不平等の現状を知って、現実に起きているこの歪みを正していきたいと思います。
日本国内にも、上記にあげたのとは違った不平等があります。今回、コロナ感染の社会を見ていて、ほんの少し垣間見ただけではありますが、いろいろな不平等を感じました。

私もこの歳にして知らないことがたくさんあります。しかしまだ、「知ろう」という意欲はあります。平等な世界にするには、現実を知るところから始まります。

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