院長コラム(No. 12 老後を話す)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No. 12 老後を話す

2019年02月06日

人は必ず最期を迎えますが、それは残された者にとってはとても悲しいことです。以前、知り合いの先生のお母様が90歳をこえて亡くなられたのですが、病気では無く穏やかな最期ときいていたので大往生だと思い式に参列しました。しかしお別れの会で息子さんは「死んでいい年なんて無い」と言われました。確かにその通りで、「死んでもいい年齢なんて無い」のだと、その時の言葉が深く心に残っています。

日本の死因は、ご存じのように第一位が癌によるもので30%弱。その他、心臓疾患、肺炎、脳血管障害を合わせた上位4疾患で60-70%を占めます。老衰は7%前後ですので、思い描くような穏やかな最期を迎えることはなかなか難しいことになります。

若いころは自分の最期について真剣に考えることはあまり無いと思いますが、私は50歳を過ぎたころから、「自分はどのように最期を迎えるのだろう」と思うようになりました。「痛いのは嫌」「苦しいのも嫌」「食べられなくなって胃瘻を作られるのも嫌」「人工呼吸器にはつながれたくない」「心臓マッサージはしないで」「意思を伝えられない状態で寝たきりは嫌」などなど。

厚生労働省の平成29年のデータによると、日本の平均寿命は、男性81歳、女性87歳ですが、健康寿命は男性71歳、女性74歳で、平均介護期間は男性10年、女性13年もあるそうです。

自分の気持ちを自分で伝えられるうちに、感謝や願いを伝えておくことは大切なことです。「最期」の話を忌避してはいけないと思います。自分としての尊厳を保つためには、自分の気持ちを伝えておくことが大切です。
「死」は決して負けではありません。もし死が負けなら、生きとし生けるものはすべて敗北宣言を出すことになります。古い言い方かも知れませんが、お天道様に恥ずかしくないように今を一生懸命生きていれば、その人は人生の勝者だと思います。

昔、担当していた肺癌の患者さんが亡くなられたとき、最期に「お父さん、立派だったよ」と声をかけた娘さんを今でも忘れられません。

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