院長コラム(No.71 君子なら豹変してほしい)|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)緑地公園駅 内科 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.71 君子なら豹変してほしい

2020年05月20日

「君子は豹変す」とは、ご存じのように “徳の高い立派な人物は、過ちに気づけば即座にそれを改め正しい道をすすむ” ということです。『易経・革卦』にある「君子豹変す、小人は面(おもて)を革(あらた)む」の最初の部分がよくつかわれます。

君子、つまり学識、人格に優れた人は、自分が間違っていると思えば心を入れ替え、行動もきちんと改める。しかし、小人、つまり度量が狭く徳に欠けている人は、表面上・外見だけは改めたように見せかけるけれど、中身は全く変わっていないのでまた同じ過ちをする、ということですよね。

いま、政治の世界をみていると「小人」と思われるような人が目に付き、暗澹たる気持ちになるのは私だけでしょうか。

理工系の学問は経過・結果・予測が数字であらわされるので、言い訳もできなければ、解釈の違いなどということも起きませんし、起きてはいけません。誰が、いつ見ても、再現性があり、その真理・真実は不変です。説明する際には、できるだけ衣を外し、脂肪をそぎ落とし、本筋がはっきりとわかるようにします。一方、哲学、心理、宗教、文学などはそれとは違い、いろんな考え方や解釈があるため、幅が広がり、厚みが増して、それが非常におもしろいところでもあるのです。

ところで、今の政治はどうなのでしょうか。本筋に脂肪をたっぷりとつけ、衣を何枚も身にまとい、何とでも解釈ができる話をする。言ったことは変わり、約束は果たさず、“誤解を招いたなら申し訳ない“と言い訳をする。

もし君子であるのであれば、あれやこれやと言い訳をせず、鮮やかに否を否と認めて、正しいと信じる道を選び直して欲しい。誤ってはいけないというのではなく、誤っていると思ったなら爽やかに新たな道を選び直して欲しいし、それを誰も責めないと思います。

政治家にはだれでもなれます。ある意味平等なのかも知れませんが、やはり政治に関しての最低限の知識と常識、そして良識は必要でしょう。「嘘はついてはいけません」「聞かれたことにはきちんと答えましょう」「間違ったら、ちゃんと謝りましょう」など、物心が付いたら教えられる当たり前のことです。

「聞かれたことには、きちんと応えなくていいです。」「間違っていても謝らずに言い訳をすれば通ります」「約束したことを実行しなくても、国民はそのうち忘れます。」というのでは寂しい限りです。
私は政治家ほどおもしろい仕事はないとも思っています。気骨のある政治家はどこにいますか。

一覧に戻る