院長コラム|大阪のがん免疫療法(免疫細胞治療)内科|吹田市 緑地公園駅近く 北大阪メディカルクリニック

院長コラム

No.91 紹介状

2020年09月30日

外来で「〇〇病院で△△の治療を受けたいので紹介状を書いてください」と言われることがあります。また来院された患者さんに「うちでは◎◎の検査ができないので、◇◇病院を紹介しますね」と紹介状を書くこともあります。

紹介状は多くの場合、10分、20分で書けるものではありません。病気の経過が長いかたでは、過去の血液検査のうちの大切なところを選び出さないといけませんし、たくさん撮ったCTやレントゲン、PETなどのうち、治療の効果判定や治療方法の変更に必要だったものを選びますので、意外と時間がかかります。

また、いつからどんな抗癌剤を使ったか、放射線治療はどこにどれだけ照射したかなど、全体の流れを知った上でポイントを選んでまとめるので、やはり1時間、2時間はかかってきます。ですから、紹介状を依頼される場合には、数日間の時間の猶予を下さいね。中には、「先生いいですよ、ゆっくり書いて下さい、待っていますから」と優しく言ってくださる方もおられますが、やはり焦ります。できれば、その日の仕事が一段落してから、頭の中を整理して書きたいのでお時間をくださいませ。

昔は電子カルテでは無かったので、紹介状も手書きでした。ですからいただいた紹介状も、急いで書かれていたり、達筆過ぎたりすると何が書いてあるかわからない。飛び跳ねたドイツ語は余計にわからない。けれど、紹介元の先生の年齢や性格、その時の忙しさなども垣間見えて味がありました。今は、電子カルテなので、あとから追記したり削ったりすることも簡単ですし、字が達筆過ぎて(汚すぎて)読めないということもなくなりました。ただ、そのぶん、画一的、平坦になりました。

また、「科」によって略語の意味が違うので、他科に紹介状を書く時には略語を使わないようにと、昔先輩に教えられました。例えばDM。ダイレクトメールではありません。内分泌内科でDMと言えばdiabetes mellitusで糖尿病。膠原病内科でDMと言えばDermatomyositisの皮膚筋炎になります。他科にまたがるときには、略語は避けたほうがいいのです。
抗癌剤でもMITはミトキサントロンの略ですが、MXTとも書き、MTXメトトレキサートと間違えないようにしないといけません。パクリタキセルという抗癌剤はPTX, TXL, PAC, TAXなどの略語があり、ドキソルビシンという抗癌剤もADM, ADR, DOX, DXRとたくさんの略語があります。これらは、間違うと大変なのでできれば一般名で書いたほうがいいですよね。でもついつい普段使い慣れている略語で書いてしまい、読み返したときに書き直し、なんていうこともあります。

紹介状は長すぎてもお忙しい相手の先生になかなか読んでいただけないでしょうから、要点をなるべくまとめて書こうと思います。
また、外来に来られている患者さんが、その先生のことを信頼されていると感じられればお手紙にそのことを書きます。直接お礼をいわれるのもうれしいとは思いますが、第三者から聞くとまた違ったうれしさがあるのではないかと思っています。患者さんと主治医の間柄はとても大切なので、私の紹介状が少しでも潤滑油になればと思っています。
しかし、患者さんの気持ちを頭から否定されているようなときには、「私も若いころには・・・」などと遠回しに書くこともあり、紹介状を書きながら私も歳をとったなあと思うこの頃です。

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