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NO.49  QALY(Quality Adjusted Life years=質調整生存率)

2019年12月04日

私が医師になった30年ほど前は、「患者さんの命を何とかのばしたい」と思っていました。心臓マッサージも挿管・人工呼吸器装着も積極的に考えていました。指導医が「心臓マッサージをもうやめよう」と言おうものなら、「なぜやめるのか」と反対したものです。抗癌剤も積極的に使って、「これがだめならこれ」「これもダメなら次にこれ」と文献を漁っていました。
しかし、多くの患者さんが逝く姿をみつめてきた今では、考え方が変わってきていることを感じます。最期をいかに自分らしく迎えるか、人生をとじるか、と考えるようになりました。

先日、通院されている方が、「もう90歳分生きたから、もういつ逝ってもいい」といわれましたが、その言葉を表面ではなく、心の奥で深く受け止めることができるようになったと思います。

下記のような図があります。質調整生存率と日本語で訳すらしいですが、QALY:Quality Adjusted Life years です。これは経済学的な観点から医療を考えるときに使われるそうですが、それだけではなく、治療を受ける側の考え方としても大切なものだと思います。

言葉で説明すると少しわかりづらいかもしれませんが、

完全に健康な状態で2年生存したとすると、100%×2年=200 となります。(=これを2QALYといいます)

例えばAさんが、はじめの半年は100%の元気さ、次の半年は80%の元気さ、次の半年は50%の元気さ、その後の半年は20%の元気さで過ごして一生をとじたとすると、100×0.5年 + 80×0.5年 + 50×0.5年 + 20×0.5年=125(=1.25QALY) となります

Bさんが、50%の元気さで2年過ごして亡くなったとすると、50×2年=100(=1.0QALY) となります。

さて、どちらが良いか。勿論、人それぞれ考え方・立場が違うので、どちらが良いかなどと他人が評価するものではありません。

また、30%×3年=90%×1年 であり、QALY は同じになります。立場によって、考え方によってそれぞれですが、たとえば”会社を引き継ぐためになんとしても3年は必要”というかたもおられれば、”しんどい治療はせずに過ごしたい”という方もおられるでしょう。

私が言いたいのは、どちらがいいというのではなく、今の医療は「30%×3年」という方法しか認めてくれない傾向にあるのではないかということです。
透析をしないといけないのか、胃瘻を作らないといけないのか、抗癌剤はしないといけないのか・・・。それらをしないという選択肢もあるだろうに、なんとなくそう言いにくい環境にあるのではないかと思うのです。もう少し治療の選択に自由度があってもいいのではないかと思うこのごろです。

 

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